商品について

~2019年「空禅 KU-ZEN」を設立~
ブランドの原点には、私自身の人生を大きく揺るがす出来事があります。事業を始めたばかりの頃、大病を患い、医師から余命一年と宣告され、極限の状況の中で心を落ち着かせるために、毎日空を見上げ、座禅を組み、"無"の境地を体験。その中で、「1300年の歴史と伝統を持つ日本の遺産を次世代へつなぎたい」という強い想いが生まれ、ブランドの立ち上げを決意しました。この体験を通じて、「空」への憧れと「禅」の精神を大切にする思いを込め、「空禅」というブランドを創設。前職では、日本の伝統建築や意匠に触れる機会が多く、特に「畳縁」の美しさに魅了されました。畳縁は、1300年の歴史を持つ畳の縁に用いられる伝統素材であり、細やかな柄や色彩が日本の美意識を映し出しています。「空禅」では、畳縁をはじめとする日本の伝統素材を活かしたアイテムを展開し、時代とともに進化するブランドを目指してまいります。
~日本の美と精神を映す伝統〜
畳縁(たたみべり)は、日本の歴史とともに受け継がれてきた伝統素材です。その起源は平安時代にさかのぼり、畳は単なる床材ではなく、身分や格式を象徴するものとして扱われていました。特に畳縁は、天皇一族や神社・寺院、武士や公家といった社会の要人たちによって、柄や色、素材が厳格に定められ、畳に宿る「品格」を際立たせる役割を担ってきました。
戦国時代から安土桃山時代にかけて、豊臣秀吉による全国統一を機に畳文化が武家社会にも広まり、千利休の侘び茶とともに、日本独自の美意識を象徴する存在となります。特に茶室では、畳と畳縁の控えめながらも洗練された意匠が、"侘び寂び"の精神を表現しました。さらに、徳川家康の時代には数寄屋造りが発展し、**「畳割」**という建築モジュールが確立され、空間設計においても畳は不可欠な要素となります。この時代、江戸城や大阪城では畳職人たちが組合を形成し、技術の継承と発展が体系化されていきました。
日本の伝統文様には、**「29種類の小紋」があり、その起源は『古事記伝』**までさかのぼります。それぞれの柄には、長寿・繁栄・魔除け・五穀豊穣などの願いが込められ、まるで祈りを織り込むように受け継がれてきました。畳縁は、単なる装飾ではなく、日本人の精神文化や美意識を映し出す存在であり、畳の敷かれた空間には、四季の移ろいを感じ、静寂の中に調和を見出す、日本ならではの感性が息づいています。
畳縁は、1300年もの歴史を誇る日本遺産であり、そこには日本人の「礼」「調和」「敬意」といった精神が込められています。“空禅” は、この歴史と伝統を未来へつなぐ架け橋となり、次世代の子供たちへと広げていくことを使命としています。


~商品のこだわり未来へ~
日本の住文化とともに受け継がれてきた日本遺産の工芸品しかし現代では、畳のある暮らしが減少し、この伝統も衰退の危機にあります。空禅では、未来を担う若者や子どもたちが再び畳のある空間を選び、畳縁の価値を受け継いでいけるように、伝統を守りながらも現代のライフスタイルに寄り添うアイテムを生み出しています。
伝統文様に込めた想い古事記にも記される29種類の伝統文様の中から、特に縁起の良い4つの文様を選びました。これらは、ただのデザインではなく、長寿・繁栄・調和・幸福への願いが込められています。
麻の葉 – 子どもの健やかな成長
市松 – 絶え間ない繁栄
七宝 – 人とのつながりと調和
青海波 – 穏やかな暮らしと未来永劫の幸せ厳選した
最高級素材畳縁の伝統を生かしつつ、現代の生活にも馴染むように、厳選した日本最高級の素材を使用しています。
富士金梅帆布 – 国内唯一の一貫生産体制を持つ帆布メーカーが生み出す、耐久性と美しさを兼ね備えた高品質帆布。しなやかで丈夫な素材は、使い込むほどに味わいが増します。
栃木レザー(ヌメ革) – 伝統的な植物タンニンなめしで仕上げた最高級のレザー。使うほどに風合いが変化し、持ち主の手に馴染む逸品です。
伝統と革新を手に取る喜び職人の手仕事によって生み出される空禅のアイテムは、ただの工芸品ではなく、日常に溶け込みながらも、持つ人の心に深く響く存在でありたいと考えています。伝統を大切にしながら、新しい価値を生み出す——使うほどに愛着が湧き、未来へと受け継がれる一品を、ぜひ手に取ってお確かめください。